nøgle~オススメ書籍 2022.01~


“nøgle(ノイレ)”は“鍵”という意味のあるデンマーク語です。

このページでは、森のようちえん関連、自然保育やウィズ・ナチュラのエッセンスを感じていただけるようなオススメ書籍をご紹介します。


2021年度3学期にご紹介するおすすめ書籍

2022.1.3 『オン・ビーイング・ミー 〜「私」って何?〜』   J・デイヴィッド・ヴェルマン=著

2022.2.1. 『僕たちはどう生きるか言葉と思考のエコロジカルな転回  森田真生 著

2022.3.3 『エレガント・シンプリシティ』サティシュ・クマール 著、辻信一 訳


魚座新月のオススメ図書

2022.3.3

豊かさを阻害するものを取り去ってくれる

うお座新月に管理人クーチェが

オススメする本は…

『エレガント・シンプリシティ

「簡素」に美しく生きる

サティシュ・クマール 著、 辻 信一 訳、 NHK出版 

世界平和と自然環境のための活動家と自称するサティシュ・クマール。彼の言葉は、それが書籍であれ講演やインタビューであれ、愛と情熱とユーモアに溢れ、刺激的で、いつも聴く者をわくわくさせてくれます。そしてこれまでの彼の思想を集約したともいえる本書では、今この地球(私たち)が直面している様々な問題を解決へと導く持続可能な生き方として“「簡素」に美しく生きること”が大切であると声高に提唱しています。

 

(本文より)

私は本書で、〈シンプル〉という言葉の幅広さ、全てを包み込むような大きさと深さを示したいと思います。〈エレガント・シンプリシティ〉という理想が、モノの次元とこころの次元の両方で何を意味するのかを探求したいと思うのです。

〈エレガント・シンプリシティ〉とは何か。それは、どういう暮らし方をするかという知恵であると同時に、どういうこころを育てるかという、スピリチュアルな探求です。

 

想像力に満ちた心豊かな、よき人生を送るために今から私たちが出来ることを、言葉一つ一つ紐解きながら伝えてくれています。

著者と長年親交がある訳者辻さんの日本語は、サティシュの言葉に秘められた想いと情熱を感じさせ、まるで彼が目の前に居て語っている声が聞こえてくるかのようで、読んでいてとても心地よいと感じます。

 

「どんな話もおしゃべりも全て経験から来る」というサティシュの言葉通り、この本は「マイストーリー」なる話から始まります。

畑へ向かう道すがら自然の営みや偉大さについて語ってくれた母との経験。全ての所有を捨て、他者の慈悲と愛を信じ自らの命を委ねたジャイナ教徒としての経験。田畑を耕し作物を育て料理をし、体を使って生きることの美しさと悦びを見いだした経験。核兵器に対する抗議運動として無一文で13000kmを2年半かけて友と歩いた経験。子どもの学校に疑問を持ち、学びの場を自ら作った経験。

それら全ての経験が「エレガント・シンプリシティ」という彼の理想を導き出してくれたともいえます。

 

贅沢な暮らしは無駄を、汚染を、貧しさを生む。自然を資源と見なし、社会の道具になり、想像することや創造することから遠ざかり暮らしていては持続可能な環境や公正な社会への道は閉ざされ、個々人の充足やしあわせは遠のくばかり。

私たちが本当に必要なものを本当に必要なだけ使い、そして自然に還すことで、私たちは自然が本来持つ恒久的な循環の一部であると気付き、自然と自分自身、そして全ての人々と調和して繋がり、自由へと導かれていく。

経済的な成長は目的そのものではなく、この地球の、私たちの理想を創り出すための手段であるべきである。

という、よりホリスティック(全体的)な彼のメッセージを本全体を通して受け取ることが出来ます。

これまで自然に対して行ってきた様々な行為の結果を受け止め、寛容なる自然から学び、自然を敬い、自然の一部であると理解し私たちの生き方(スピリチュアリティ)を見つめ直す時。魂の糧である美しさを生み出すものとして、私たち一人ひとりがアーティストとして生きる時。それが今。

〈エレガント・シンプリシティ〉とは、世界観であり、生き方。
みなさんはどんな世界でどんな風に暮らしていきたいですか。
1人でも多くの人がこの本を手に取って、サティシュの言葉に触れ、皆で理想的な世界を描き、作り出すためのはじめの一歩を踏み出せることが出来たらと心から願います。
1人では理想主義者と言われ笑われても、その理想を共に抱く人が多くなれば現実になる。
理想は現実の反対ではなく、同じ線の上にある。
そう、つよく思います。

〜管理人クーチェ最後の呟き〜 

「1+1=11」

算数としては間違っているかもしれないが

とても、美しいと思う

どうしてかって?

人生には遊び心とロマンスが必要だから。。。

 


水瓶座新月のオススメ図書

2022.2.1.

 

あなたが「これだけは譲れない」と

考えているものの見直しによいタイミングの

水瓶座新月にスタッフちひろちゃんがオススメする本は…

『僕たちはどう生きるか言葉と思考のエコロジカルな転回

森田真生 著  集英社 出版 

これは私一個人の体験の話になってしまうのですが、第一子の息子を授かったのは2012年。

地球に生まれてきてくれた新しい生命への大きな喜びや希望と共に、不安にも包まれていたことを思い出します。

これからの時代を生きる、未来を背負う子どもたちを育てる私たちは今、目の前の現実をどのように捉え、何を選択して生きていくのか。

どんな風に生きる姿を子どもたちに見せたいのか。

どう在りたい?どう生きたい?

そんな自分への問いがあったからこそ、森のようちえんにも出会えたのではないかと思っています。

 

そんな息子も小学生になり、

『地球だけが酸素があって、自然があって、人間が住める。地球に生まれてきたこと自体がすごいこと。これは奇跡みたいなこと。』

と言って涙した事がありました。

 

 

昨年開催された、森のようちえん全国交流フォーラムin奈良での分科会に登壇された、YAMAP春山慶彦さんの、

この星・この地球に生まれていること自体が素晴らしい』と言う言葉が重なりました。

 

人間は絶望を希望に変えることができる。

人が幸せになる=環境も豊かになる

そういう社会を作る人類に成熟していくことがこれからのフェーズ。

そうなれるかが勝負だとも仰っていました。

 

 

著者は

「本来、多様な環境の変化に応答できる能力を持つ人間を、画一的な環境とカリキュラムで縛り、結果として環境変動に対して脆弱な人間を育てることに、いまの教育はなってないだろうか。」

「すべての人が自分がここにいてもいいと思える世界を実現し、次世代にこれを受け渡していくこと。このためには、ラディカルな思考と行動の変容が必要になる。」

と言います。

 

この時代を共に生きる私たち一人ひとりが〝どう生きるのか。〟

ウィズ・ナチュラの大人たちは日々、そこと向き合いながら共に育ち、共に生き、そんな姿を子どもたちに見せています。

 

「人は、自分のためだけに生きて、それで幸福になれるほど強くない。」

 

2020年春からの、著者自らの体験からの気づきを記録したリアリティ溢れるこのドキュメント・エッセイは、読者自身の記憶とも重なります。

今一度振り返りながら、この本と共に一緒に未来を考えたい一冊です。

 

 

 

ー「はじめに」よりー

新興のウィルスが世界中に広がり、気候が人類の経験したことのない速度で変動していくこの時代に、果たしてどのように生きていくのか、模索する日々だ。

これまで反復していた自然がかつてのように反復しなくなり、当たり前にいたはずの生き物が次々と滅びていく世界で、心を壊さず、しかも感じることをやめないで生きていくためには大胆にこれまでの生き方を編み直していく必要がある。

ウィルスや気候がもたらしている現実は、僕たちに、これまでとは別の生き方を始めることを求めてきている。

(中略)

舞台は、新型コロナウィルスの感染が日本でも急拡大を始めた二〇二〇年の春に遡る。

全国各地を新幹線で飛び回りながら、庭に目をやる余裕もないほど忙しなく回転していたそれまでの日々が、ここで急停止する。息子の幼稚園も休園となり、にわかに自宅が幼稚園状態となった。

先行きはまったく見えない。しかも時間を止めることもできない。この不透明で不気味な時代を、僕たちはどう生きるのか。

生きてみながら、考えるしかない。

 

保育スタッフ ちひろ

〜管理人の呟き〜 

 編む

互い違いに組み合わせて、一つの形に作り上げる。

そのようにして、ある物を作り上げることを言う。
どちらかが強すぎても弱すぎても編めない。
滑らかな美しい織り物は、そう単純ではない。
しかし、お互いを感じながら編み進めることが出来れば、強固なものが出来るはず。。。

 


やぎ座新月のオススメ図書

2022.1.3

 

「成熟した大人」の星座である山羊座の新月。

これまで見て見ぬふりをしてきた子どもっぽい、

未熟なところを見つめ直すよい機会に

HP管理人クーチェがオススメする書籍は。。。

『オン・ビーイング・ミー 〜「私」って何?〜』
J・デイヴィッド・ヴェルマン=著
青木滋之=監訳 
黒澤里吏=訳

“森のようちえんウィズ・ナチュラ”に娘と入園してから、問い問われ続ける日々を過ごして来ました。そこには常に「私」があるようで、「私」だけではない何かがあり、それは「私たち」とも少し違う。
私であること、とはどういう事なのか。
答えを求めるのではなく、様々な視点から時空を超えて色んな「私」と対話したい。そう思い、手に取った本書。

私たちの多くが深い関心を持っている[誕生、死、後悔、自由意志、主体性、愛]などの問いについての著者自身の個人的な考察が綴られており、読み進めていると、まるで瞑想のようです。
「私」って何?の答えではなく、私であることについて、から始まり、人であることが何であるかについての大胆で刺激的な内省が織りなす機知に富む文章は、エレガントで普遍的、そして謎めいている一方、現実的で挑発的でとても魅力的です。

道徳哲学者J. David Vellemanは、人間であることの意味について説得力のある洞察を提案していますが、読者を説得するためにというより開示するために書いており、その言葉には著者の温もりを感じ、そのことがこの本を非常に説得力のあるものにしています。

更に彼は、私たちが自分自身の最も根源的な部分をよりよく理解するために私たち自身の思考力に頼ることができること、そして哲学が私たちをそこに導くのを助けることができることを示しています

 

専門用語や学術的な言及を避け、著者のこれまでの経験や考察を日常生活に結びつけて一人称で語られており、エッセイのように読むことが出来る反面、物語を読むように進んで行くと、ふとした所で迷子になっている自分に出会います。
それは自分自身の経験や習慣、そして感情を異なる視点から見つめる刺激的な旅のようでした。
生き生きとした洞察に満ちた瞬間と驚くようなひねりのある爽快で知的なこの旅に、貴方も身を委ねてみませんか?

〜管理人の呟き〜 

 

「私は、ものではありません」

私って何だろう...と思い、私を思う。

答えにたどり着く事よりも大切に思える

私を思う瞬間がそこにある。

思いの先にあったのは「私」ではなかった

。。。


2021.9.7 「教えから学びへ」汐見稔幸 著

2021.10.6 「多様性」池田憲昭 著

2021.11.5. 「子どもの頃から哲学者」 苫野一徳 著

2021.12.4.「ようちえん」はじめました! 葭田 あきこ 著  

 

 


2021年4月~8月 オススメ書籍

「ティール時代」の子育ての秘密 あなたが輝き、子どももより輝くための12章 天外伺朗著

「ママのためのシュタイナー教育入門」ドーリス・シューラー 著、鳥山雅代訳

「デンマークの親は子どもを褒めない」ジェシカ・ジョエル・アレキサンダー・イーベン・ディシング・サンダール著、鹿田 昌美訳

「シェアリングネイチャー自然の喜びをわかちあおう」ジョセフ・コーネル著

「やさしさ」の教育 センス・オブ・ワンダーを子どもたちに 露木和男著 


2020.9.17~2021.03.13 オススメ書籍

「あしのうらのはなし」やぎゅうげんいちろう作

「0歳からの足育(あしいく)のすすめ」玉島麻理・小野直洋・高山かおる著、武藤芳照監修

「こどもキッチン、はじまります」石井由紀子著

「一汁一菜でよいという提案」土井善晴著

「みんなのちきゅうカタログ」監修 ソーヤー海/絵 川村若菜/文 福岡梓

「北欧の森のようちえん」リッケ・ローゼングレン著 

ヴィンスルー美智子/村上進 訳

「非認知能力の育て方-心の強い幸せな子になる0~10歳の家庭教育」ボーク重子著

「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン著

「常識を変える!親子で伸ばす自然な子育て」岡本麻友子著


森のようちえんウィズ・ナチュラ季刊誌サステナme協賛企業様