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おむすびの会集大成

少し前に年長の娘が突然「パパ!ママ!ここに立って!」と言ってきたので娘の前に並んで立つと、おもむろに“しょうたいじょう”を差し出して「きてね」と恥ずかしそうに伝えてくれました。

おむすびの会。お米を通して自分と繋がる、自然と繋がる時間。ご飯を炊くことを通して、食べること、生きることを学ぶ時間。そして、おむすびを結ぶことで自分を、相手を想う時間。

いつもはばら組5人と食育スタッフ花ちゃんと少人数で過ごしているけど、今日は家族も一緒。子どもたちは朝から緊張と喜びでなんだかそわそわ落ち着かない感じ。
今日は他のスタッフも側で見守ってくれていて、くすぐったいような、嬉し恥ずかしの5人。でも、お米と仲良くなる瞬間やいつものプロセスを踏むことで少しずつ集中を見せ始める5人。
今日は去年長滝町で田植えをして育てたお米をいただく。地域の方々の力を借りて、田植えをし、育て、収穫したお米。
生命の循環を体で感じることが出来るなんて、なんと貴重な体験をさせてもらっているのだろうかと地域の方々への感謝が溢れ出す。
土鍋から上がる湯気に今日も興奮し、部屋全体がご飯のいい香りに包まれる。
蒸らしが終わると塩を選び、手際よく結んでいく。まんまるで柔らかいおむすびを「はいどーぞ」と差し出してくれた。
ひと口食べてみる。ほろっと崩れそうで、とても柔らかくて優しいおむすびだ。塩加減もばっちり。「おいしいよ」と伝えると、照れ笑い。スタッフにもおむすびを食べてもらい、とても嬉しそう。
おいしいって言ってもらうと元気が出るよね。喜んでもらえると嬉しいよね。
今日はお味噌汁も作ってくれた。
出汁を取るかつお節をみんなで順番に削る。
お湯に入れて60秒数える。濾すと、黄金色の出汁が「わたし綺麗でしょ」と言っているかのようだった。
「おいしい、おいしい」とみんなから声があがる。
ごはんを作って食べる。言葉にするとそれだけのことだけど、それだけではない。
会の最後に花ちゃんからおむすびの会の話があった。
この学年は年少時は2人、年中で2人加わり4人に、年長で1人加わり5人になった。
おむすびの会はその5人で横の繋がりを感じる唯一とも言える貴重な時間だったこと、5人であーだこーだ言いながら、ぶつかりながらも支え合える時間だったことがうかがえる。おむすびの会の最中も目線が交わり、言葉を交わし、互いの思いを受け答えする瞬間を何度も見た。みんな繋がっている。
会が終わっても、帰りたがらない5人。
だけど、もう行く時間だ。
道はまだまだ続くのだ。
みんなで結んだおむすびを体に入れて、心に刻んで、前を向いて、さぁ行こう。
ばら組(卒園児)保護者 クーチェ

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