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言葉の奥には

言葉の奥を感じる

 

年少の息子Sは、2学期に入った頃からバイバイが怖くなった。

少しずつ、彼のペースで、一つずつ乗り越えて、スタッフさんと一緒にお散歩しながらだったらバイバイできるようになりました。

これを皆んなはSのバイバイタイムと名づけてくれていた。

でもバイバイできるようになって少ししたら、またできなくなった。

逆戻りしたなぁ。。

と一瞬残念な気持ちが私の中に起こるのを捉えたけれど、細かく見てみると逆戻りじゃなくて、新たな目標ができてそこに対する不安があるようでした。

 

そして最近は「友達が苦手」だから行きたくないと言うようになった。

そういえば今まで彼は自分ワールドが深くて、ワールドの中で友達とも遊んでいる感じだったけれど、最近「一緒に遊ばないと言われたから嫌だった」などと、友達との関わりの世界を見つけたようでした。

 

けれど、、じゃあどうしよう、、

バイバイしたくないSにスタッフさんが声をかけてくれる。

Sはナチュラっこやんな?私もみんなもそう思っているよ。S本当は分かってるはず。

だから、帰りたいからそのまま帰るんじゃなくて、嫌なことがあるなら一緒に考えたい」としっかり伝えてくれた。

 

これは私に無い感覚だった。

何でも自己完結してしまう癖。

そのことに関しては自分で納得できるのだけど、あまり幸せじゃない感覚。

スタッフさんの言葉を聞いて、そっと動き出し、離れる決意をした息子。

 

何かすごく大切なものを見せてもらった気がしました。

その翌日またバイバイできず。

私自身がやっぱり彼の言葉に答えを求めてしまっていることにもだんだん気づいてきた。

同時に彼だけじゃなく家族や他の保護者に対しても。

その日は年長さんが作ってくれるカレーを持って帰りたいと頑なに言うのでそれを相談しに行こうとまたフィールドに戻り、そこでまたスタッフさんがSはどうしたいの?と問うもなかなかあちこちに散らかっていて、自分で自分がどうしたいのかから表面の思考に流されている、それを、口に出しているのを感じました。本心じゃない。

その間も子どもたちは入れ替わり立ち替わりSの姿を見たり話しかけたりしながら見守ってくれていた。

Sの中に何があるのか全然分からないし、私は一体何を見せられているんだろうと悶々としながら離れました

後で私が帰った後のことを聴きました。

私を追いかけて道まで出てしまい、スタッフさんは命を大切にしていないと感じたことには本気で怒るので、本気で怒ってくれたそうで。

Sもしっかりその話を聞いていたそう。

その場には友達も2人彼を見守ってくれていたとのこと。

引き返してくるときに「自分でバイバイしたかったのに、どこでバイバイしたら良いのか分からなくなった」と話したそう。

Sの本心、やりたいのにできなかったときに帰りたくなる。

 

皆んなのことが苦手だとか、お家で一人で遊びたいとか、色々言っていたけど、本心は別のところにあった。

 

そしてSが困っているのなら皆んなに相談してほしい、一緒に考えたい。

とスタッフさんが声をかけてくれたそうで、正直私へのメッセージとしか思えませんでした笑

自分がどうなりたいのか、何に困っているのか、皆んなに聞いてもらったら良いよ。と。

思い返すと、彼の周りには彼のことを気にかけてくれる仲間がいつもいてた。

いつでも受け止めるよーと待ってくれているようだった。

自己完結ばかりしてきた私なので、その思考は全くなくて、でもはっきり掴めたら世界がすごく広がる気がします。

自分が自己完結するものだから、相手を受け止めるということも苦手なのかと気付いたり。

でもまだまだ掴めない感覚です。

 

家でもその話をしました。

自分のハートの中にあるものを伝えること、誰かが困っていたら、私も幸せじゃないこと。ミクロもマクロも。内側も外側も。

お兄ちゃんも一緒に話しました。

私もそれが苦手なことだから、一緒にチャレンジしたいと伝えた。

お兄ちゃんも苦手だと言ってた。

そう、私たち3人は本当によく似ている。いや、ほぼ同じ。

彼らに対する違和感は自分に対する違和感と同じ。

 

卒園式の翌日、卒園児にお花をプレゼントしたいと、庭の花を摘んで行きました。

友達が苦手だと言っていたので驚いた。

私と離れた後にスタッフさんにサポートしてもらって1人ずつ渡せたそうで、その時に皆んながかけてくれた「ありがとう」や「どこに咲いてたん?」とお花を持ってきたSの奥を知ろうとしてくれる言葉にすごくキラキラした目をして喜んでいたそうです。

友達が苦手だという言葉は、「友達と繋がりたい」ということなんだ。

私もそう。人と関わるのが苦手だと言っているけれど、本当は人と繋がりたいと誰よりも思っている!

それを知った時、目が覚める程の衝撃でした!

 

子どもの言葉の奥に、私自身がいてる。

私の気づかない私に出逢わせてくれる子ども達。

いつも本当にありがとう。


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