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あえて見る

夏の間、子どもたちが大好きな川遊びができるフィールド「長滝ひろば」(長滝の森)での活動が始まる前に、ようちえんのスタッフと保護者で危険予測トレーニングを実施しました。

しばらく足を踏み入れないうちに、草が鬱蒼と茂り景色が変わっているひろば。

今回はこれまであまり行ったことのなかった森の中へ行くことになりました。

川のすぐ横、太陽がさんさんと降り注ぐ広場とは打って変わって、背の高い木々に囲まれた苔むす傾斜路の中、道なき道を進む一行。

すぐ横は下の見えない崖。危険な個所はないか、ここではどんなことが起こりそうか、想像力を働かせながら慎重に一歩一歩進んでいく。

丈夫そうに見えて手をかけるともろもろと崩れる木肌。上を見ると枯れている。その瞬間後ろに倒れそうになる。

草が視界を遮る、帽子のつばが視界を遮る、不安が募る。

どの道を行く?この先も行く?行かない?

子どもたちは、常に自分に問いながら判断する練習をしているそう。

時々聞かれる「森のようちえんは野外で活動していて子どもたちはケガとか危険はありませんか」という質問。

もちろん危険はある。問題はどうかかわるか。

全ての危険を排除してしまえばもちろん安全な環境にはなるが、それでいいのか。。。

命に関わる大きな事故につながりそうな危険は避けたい。そのために小さな「怖い」を積み重ね、自然に問い、自分に問い、自らの能力を高めていくナチュラっ子たち。

 

この先危険な場面に遭遇した時に何をどう判断すればよいのか、どう行動するのか自分で決められないのはとても危険なことだと思う。

人間にとって危険な虫なども存在を消してしまうのではなく、同じ地球に生きる仲間として繋がりながらも、彼らを見つける力、違和感を感じる力を養っていく。そして、それが生きる力になる、そう感じずにはいられません。

森の中から戻ってからはグループに分かれて振り返り、それをみんなで共有しながら話を深めていきます。

ここで汗をかきながら楽しい時間を過ごす子どもたちの姿を想像しながら、自分たちに出来る対策を洗い出し、情報や知識を共有。

過度な防御ではなく、命に関わる大きな事故や怪我が起きないよう、何か起きた時落ち着いて対処できるよう、改めて自分自身の在り方、常日頃の意識の持ち方を考え直すきっかけとなりました。

季節によって姿を変える自然の中で意識しないと見えてこないものをあえて「見る」トレーニング。次回はまた次の季節に。。。

 

季節の恵みに感謝して

 

森のようちえんウィズ・ナチュラ

年長児保護者クーチェ


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コメント: 1
  • #1

    りえぽん (木曜日, 20 5月 2021 23:54)

    木々・花・虫・動物…そして子どもたち。輝くいのちが触れ合う森のようちえんだからこそ、いのち(ハザード)と真剣に向き合う時間。リスクマネジメントも森で過ごすには欠かせない活動の一つだと、ようやく繋がってきました。"いのち"への感度、上げていきたい!

森のようちえんウィズ・ナチュラ季刊誌サステナme協賛企業様