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銀河の片隅で

星図にも載っていない辺鄙な宙域のはるか奥地、銀河の西の渦状腕の地味な端っこに、なんのへんてつもない小さな黄色い太陽がある。この太陽のまわりを、だいたい一億五千万キロメートルの距離をおいて、まったくぱっとしない小さな青緑色の惑星がまわっている。この惑星に住むサルの子孫はあきれるほど遅れていて、いまだにデジタル時計をいかした発明だと思っているほどだ。この惑星にはひとつ問題がある、というか、あった。そこに住む人間のほとんどが、たいていいつでも不幸せだということだ。・・・問題はいつまでも残った。人々の多くは心が狭く、ほとんどの人がみじめだった。・・・ひとりの若い娘が、いままでずっとなにがまちがっていたのかふいに気がついた。そして、やっと、世界を善にして幸福な場所にする方法を思いついた。・・・(『銀河ヒッチハイク・ガイド』冒頭より)

4月に入園予定の子どもたちのお母さんを交えて「今ここにいるナチュラの事、お互いの事を語り合いましょう」と“ナチュラの森の子ども観を語り合おう会”が開催されました。

保育中スタッフが撮影してコメント付きで共有してくれる写真をみんなで見ながら、そこに至るまでの話、お友だちとのやりとり、その時やその後の話、自分の気持ち、親が感じた子どもの気持ち等々を話したり聞いたり。

 

誰かが発端となった1つの出来事を切り取って話していても、その場に居る居ないに関わらず全員が当事者としてその事象を感じて考えている子どもたちやスタッフの姿が目に浮かびました。

きのこ(新入園児)のお母さんたちはこれから始まるナチュラでの日々を想像しながら、しか(在園児保護者)のみんなは子どもたちや自分たちの中の変化や気付きに想いを馳せながら過ぎていく時間。

写真(事象の表面)だけでは伝わらない事、写真があるから伝わること。そのどちらも、一つ一つ感じながら伝えていく、伝わっていく時間。単純なハウツーではない、心の機微を受け取るサイン、それをしっかりと逃がさないようアンテナを張る。それが自分自身の成長や変化へと繋がることを知っているから、存分に味わって欲しいから、繋がっていたいから、というばら(年長児保護者)のみんなの心意気を強く感じた時間となりました。

そんな事もあったねと昔話を語るようで、心は今に在る。振り返りのようで未来を描いている時間。

お母さんたちがそんな時間を過ごしている一方で、お母さんと離れてようちえんで過ごすという新しい一歩を踏み出した子どもたち。そんな挑戦にそれぞれのやり方で寄り添うばら、かりん、のいちごのみんな。そんな子どもたちに寄り添い、近くで見守ってくれるスタッフ。

一人一人の存在、それぞれの想いはあるがままでいてよいのだという安心感。いや、愛だな。

この銀河の片隅で起こっている、ちいさく渦巻く宇宙。そのどれもが無限の広がりを内包し、繋がりあって生きている。そんなところで生きている。ワクワクしかない!

年中児保護者クーチェ


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コメント: 1
  • #1

    年長保護者くみちゃん (土曜日, 27 2月 2021 20:05)

    クーチェの言葉、いつも素敵だなぁ。
    銀河の片隅で私たち何してんだろ。ちっぽけだけど、なんか楽しいことしてるよね!
    「昔を語るようで、心は今に在る。振り返りのようで未来を描いている」ホントその通りだなぁ。。。お母さん達もいい顔してる!
    こんな宇宙の中に飛び込んで、ここにいる私たちを素敵だと思うしそこから溢れる沢山の愛を地球に植物に動物に人間に届けたい!

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