2020年度ナチュラ高原便り

2021年3月の高原便り

春、夏、秋、冬、と季節は廻り、また春がやって来ました。

今年の3月も瞬きをする隙さえ与えてくれず嵐のように過ぎ去りました。でもそれは過ぎた今だから言えること。

“大人”の習性か、「残り僅か」のアラームでざわめき立ち、おたおたし、そうしながらもそれまで以上に一日一日を噛みしめて過ごしました。

そして森には卒園や進級、仲間との別れを意識しながらも「今」の自分を大切に日々を過ごす子どもたちの姿。

心もその目も真っすぐに前を見ている姿に何度心を動かされたことでしょう。。。

間もなくやってくる新しい仲間たちとの出会い。

ドキドキとウキウキの季節がやって来ます。


ナチュラ高原便り特別編~2020年度卒園式

2021年3月17日、うららかな春の日差しの中2020年度卒園式が天理市長滝町にて開催されました。

色とりどりの春の草花で彩られた会場に咲き誇る笑顔と溢れ出すしょっぱい涙。。。

「自分はどう在りたいか」

そういつも自分に問いかけている日々の真価が問われるような心境の中、今日という日を迎えました。

子どもたちは今日も“あるがまま”。さすがです。

その歩みを止めることなく、別れをしっかりと受け止めていました。

大人は。。。現実を受け止めるのにはまだ少し時間がかかりそうですが、逃げることなく進んで行きたいと、心からそう思います。


2021年2月の高原便り

冬真っ只中の森に響き渡る子どもたちの声。笑う声、泣く声、怒ってる声だったり、助けを呼ぶ声だったり、友だちを呼ぶ声だったり、色々あるけれど全部届いてる、伝わっている。

2月は天理大学馬術部へ見学に行ってお馬さんと触れ合ったり、おむすびの会の引き継ぎや集大成となる家族へのお披露目があったりと年度末にふさわしく盛りだくさんな毎日。

カラダもココロも沢山動かして、子どもたちの世界が広がり感度がどんどん上がっていくのを感じる日々でした。

この仲間、このメンバーで過ごす森時間も残りわずか。

日々たんたんと、いつも通り一瞬一瞬を大事に過ごす子どもたち。

「今年最後の雪かも。。。」寂しさも、切なさも、悦びも全部みんなの想いを重ねて広がる世界が未来なのだと、彼らから教わりました。いつも通り「今」を生きよう!


2021年1月の高原便り

冬学期の始まりは真っ白でした。見慣れない雪に大はしゃぎの子どもたちと雪道の運転に警戒するお母さんたち。

雪がほとんど降らなかった昨年の冬、バケツに張っていた水が氷になるのを見つけてはとびきりの笑顔で教えてくれていた子どもたち。今年は雪や氷、霜につららといろんな形を見せてくれる自然の中、冬を全身で感じていました。雪がしんしんと降り続く森はとても静かで、森のことばがより鮮明に聞こえてくるような気がしました。

1月は毎年恒例のお味噌造りを全員でしました。引き継がれていくナチュラっ子の存在。お味噌を通して繋がる心を身近に感じた事でしょう。

自然を感じるのと同じように仲間の気持ちや自分の気持ちを感じ取り迷いなく行動に移していくナチュラっ子の姿は、そう遠くないお別れの日を思い出させ、思わず空を見上げたくなる、そんな日々が続きました。


 2020年、新型コロナウィルス感染拡大によって激動した人々の日常。

森のようちえんウィズ・ナチュラも例外ではなく、環境も含め様々な変化に対応を余儀なくされ、

そのことによって自分自身や私たちの生活や概念、習慣や常識などの当たり前だと疑いもしなかったことを

もう一度考え直し、見つめ直す機会をいただきました。

このような状況下で子どもたちが安全に楽しく過ごすことが出来ている奇跡に関係者一同心より感謝しております。

 

~大地、太陽、自然の恵みに感謝して、

おとうさん、おかあさん、いただきます~

2020年12月の高原便り

足を運ぶたび冬のにおいが深まる12月の森。火の暖かさ、人の温もり、いつも周りに在る物、傍に居る者のありがたみを感じる日々が続きました。

色を変えた木々の葉っぱは木枯らしに吹かれて地面へと舞い落ち、子どもたちにとっては暖かい落ち葉の絨毯となりました。傾斜のあるところでは落ち葉スライダーで遊び、寒い日の朝の会では落ち葉に足を入れ足湯ならぬ「足落ち葉」で暖まったり、焚き火で焼き芋を作ったり(もちろん食べたり)。フィールドを走り回っていたかと思えば、じっと座って手仕事をしたりする子どもたちは、長い冬の先に待つ春を意識しているのかいないのか、命のタネ、準備、そしてじっと待つ、を体現しているかのようでした。

今年最後の大イベント「森のクリスマス会」ではスタッフのハンドベルが森に響き渡り、サンタさんのお話に歓喜の声を上げ、子どもたちの興奮も最高潮!またひとつ森での思い出が増えました。

 


ナチュラ高原便り番外編~森のおみせやさん

「おみせやさんがしたい!」で始まったおみせやさんプロジェクト。紆余曲折ありながらも、「おみせやさんオープンしま~~~す!」と元気な声で迎えてくれた店主たち。なんとも自信と期待に満ちあふれたみんなの姿がそこにありました。かばん屋さん、手編みのマフラー屋さん、アクセサリー屋さん、薪割り体験屋さん、くじ引き屋さん、焚き火屋さん、かえる探し探検屋さん、、、どれも個性豊かなお店ばかり。どんぐり通貨を握りしめ、買い物に繰り出すお母さんたち。

見事に晴れた青空の下、360度どこを見てもよろこびしかない奇跡のような空間でした。


2020年11月の高原便り

“森のうんどうかい”に始まり“森のおみせやさん”に終わった11月のナチュラ。

10月から始まった”さんぽの日”では大神神社周辺~石上神宮周辺と山の辺の道をみんなで散歩。美しい秋の自然を愛でながら、道ばたに転がるよろこびのタネを拾いながら、神様や木々とおしゃべりしながら、たくさん歩いたナチュラっ子たち。月1のお楽しみ“カラダの日”での体感が散歩を通して経験になり「土踏まずできた!」「筋肉ついた!」と疲れた様子も見せず笑顔で教えてくれました。

刻一刻と冬の訪れを感じるフィールドで、じわじわと近づくココロとココロ。太陽がそっぽを向いても、冷たい風がいたずらしに来ても、カラダとココロの暖め方を知っている子どもたちでした。

 


ナチュラ高原便り番外編~森のうんどうかい2020

 

気持ちのよい秋晴れの空の下、今年も天理市長滝町の皆様のご理解とご協力をいただき森の運動会2020を無事開催することができました。本当にありがとうございました!

今年も例年通り、運動会で何をするかは子どもたちが話し合って決めました。かけっこ、綱引き、パン食い競争、オンリーワンリレー。。。なにより盛り上がる「大人の“本気”綱引き3番勝負!」楽しくて腹を抱えて泣き、悔しくて頭を抱えて笑う。

そのひとつひとつの瞬間が、奇跡のような一日でした。

~What a wonderful world!~

当日の様子は写真のリンク、またはこちらからご覧ください~

2020年10月の高原便り

季節の移り変わりを日々感じた10月。秋の気配が濃くなる様にナチュラっ子たちも仲間や自然との関係をより一層深めるひと月となりました。

毎月恒例のばら組おむすびの会では、ばら組の皆が心を込めて炊いたピカピカのおむすびがかりん(年中組)やのちいご(年少組)、そしてスタッフにも振る舞われました。そのおむすびの優しさとおいしさに「おかわり!」の声が止まらず、中には涙を流すスタッフもいたようです。

年長組が実行委員となり実現した夜の森のようちえんは、普段とはまるで違う顔を見せる夜の森をお父さんやお母さんと一緒に体験し、ドキドキワクワクの思い出がまたひとつ増えました。

こうして新しい1日、新しい経験を重ね、ココロとカラダを栄養満タンにする季節の始まりです。

もっと良くなる、もっと楽しい明日を信じて、明日も森に行ってきます!


2020年9月の高原便り

夏の森のようちえんを経て、夏の勢いそのままに2学期がスタート!

いつも新学期はみんなでフィールドの整備をする「トトノエル日」と心を整える「はじまりの会」から。これから訪れる寒い季節の準備にと薪置き場をきれいにしたり、ゴミ拾いをしたり。

みんなの大切な場所をみんなで整える。自分の大切な場所を自分で整える。身体と心が繋がるように、自然と自分も繋げて気持ちの良いスタートとなりました。

同じ学年の横の繋がりに加え、縦の繋がりも見えてきた9月。

互いが互いを思いやり、追いかけ、引っ張り上げ、声をかけ、寄り添い、見守る子どもたち。去りゆく夏を惜しむかのように川に入るお友だちの為に川岸で火起こしする子どもたち。きらきらやうきうきに導かれて自分の世界に夢中になる子どもたち。

久々のみんな大好き「カラダの日」では、真剣にカラダと向き合うことを楽しむ姿が沢山見られました。9月最後の日はお誕生日会!ランチのメニューお誕生日を迎えた子どものリクエストで今月は“たこ焼き”!こんなようちえん、ある?笑


2020年8月の高原便り

去年までなら、ようちえんは夏休み。でもそこはいつも“常識”を軽々と超えていくウィズ・ナチュラ。6月からやっと始まったフィールドでの活動、そこでの子どもたちの様子を見ていたスタッフは「子どもの学びを止めたくない」と“夏の森のようちえん”として登園回数は減らしながらも保育を続行。子どもたちは長い梅雨で満喫出来ていなかった水遊びをしながら、ダイナミックに遊び、お友だちとの関係を深めていました。

そして30日には森のようちえんウィズ・ナチュラ10周年を記念して「自然環境を活かした教育・子育てシンポジウム」がオンラインで開催されました。保育をしながら初めてのオンライン開催に向けて準備してくれたスタッフの面々が過ごしたであろう継続と挑戦の日々。登壇者の皆様もさることながら、こんなにも素敵な大人が日々周りにいる子どもたち。こんな風景が“あたりまえ”と言われる日が1日でも早く来ますように。。。


2020年7月の高原便り

いよいよ夏本番か!と思ったのもつかの間。なかなかやまない雨の日々。優しく時折激しく振る雨は、子どもたちの距離を少しずつそっと縮めてくれるかのよう。雨をしのぐかのように肩を寄せ合い、手を取り合い歩いたり、集まったり。

そして晴れの日は川で思いっきり夏を、水を、太陽の光を全身で楽しむ子どもたち。

そう、雨でも晴れでも曇りでも、コロコロ変わる空模様はみんなと一緒だね。ナチュラっ子たちは、今日も地球と空と大地とそして仲間と繋がり合って、虹色の輝きを放っています。


2020年6月の高原便り

約2ヶ月間のオンライン期間を経て、6月はいよいよフィールドでの活動が始まりました。
入園式の次の登園日からおうちで森のようちえん生活を続けていたのいちごさん(年少児)には、「お母さんと離れて過ごす」というとても大きなミッションが!
オンラインでもお互いを知り合い、心を通わせていた子どもたち。朝の盛大なお別れの儀式では、ばらさん(年長児)を筆頭に少しおにいちゃん、おねえちゃんになった森の仲間たちがのいちごのみんなやお母さんたちを試行錯誤しながらサポートする場面があちこちで見られました。
かりんさん(年中児)も新たに仲間が加わり、更に大きな輪になったナチュラっ子たち。梅雨の雨を受けてぐんぐんと成長する植物のように根と幹を伸ばし、夏の日差しを浴びながらこれからますますたくましく、しなやかに育つ姿が今から待ち遠しいです。


2020年5月の高原便り

ゴールデンウイーク明けも登園は自粛、オンラインでのようちえんが継続されました。毎朝同じ時間に画面を通して「おはよう!」と元気に声を掛け合う子どもたち。共有アルバムでは自宅での様子を見せ合う日々。昨年度までは年長ばら組だけで行われていたおむすびの会も今年度はオンラインからの出発となり、卒園児も交えての楽しい会となりました。

緊急事態宣言の解除を受けて、5月の後半フィールドへも少しずつ足を運び出しました。久々に顔を合わせた子どもたちは、こちらが拍子抜けするほど、昨日もここで一緒に遊んでいたように遊び始めました。

6月はいよいよ全学年で登園!どんな再会が待っているのか、今からドキドキです!


2020年4月のナチュラ高原便り

4月10日に新入園児とその家族を迎える入園式が開催されました。ほんの少し前にお別れをした場所で、今度は新しい仲間を迎え「さぁ、いよいよ新しい日々の始まりだ!」と感じさせてくれる時間を過ごすことが出来て気分は文字通り「春爛漫」

が、その日を最後に登園自粛となりオンライン森のようちえんが始まりました!

慣れない操作に皆で四苦八苦しながら、「おうちで森のようちえん」のはじまりはじまりです。でも恐れることは何もなかった。楽しみ方はこどもが教えてくれる。画面越しでも話しを聞いてくれる仲間がいる。会いたくてたまらない人たちに出会えた奇跡を教えてくれるこの瞬間に今日も感謝!!!


森のようちえんウィズ・ナチュラ季刊誌サステナme協賛企業様