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70cmの冒険

 

「親子で森のようちえん」体験日にしつこく参加し続けて一年。ついに年中さんに転入がきまり、期待に胸ふくらませ迎えた入園式。当日、まさかの市からの自粛要請。。。

スタッフがすぐに「オンライン森のようちえん」を立ち上げてくれ、オンライン朝の会がスタートしましたが、これまでケイタイもTVも見せていなかった息子が嬉々としてパソコンに向かう姿に、頭の固い私ははじめ、やや複雑な思いでした。

でもこの状況で、よりベターな選択をしてくれていること(スタッフさんはそれを、“今のベスト”と呼ぶ)。そしてとにかく自分が1年間体験イベントに通い、スキだなあ。。。森のようちえんは他にもあるけれど、この人たちと子どもを育てていきたいなあ。。。と思ったスタッフさんが、考えに考え、決めてくれたこと。信じまかせてみよう!と思った。そんな今年度の始まりでした。

オンラインようちえん中に一日だけ、リアルに森で会うことができた日がありました。個人面談です。

入園後、初めて入るフィールド。

一カ月近く、お友達とも思うように遊べず母と二人きりの日々に限界を感じていた私の希望もあり、近くに住む在園児と卒園児のお友達を連れて、スタッフYさんが来てくれました。

お友達2人はすぐに川に入り、まさにわが庭のように自在に渓流をとびまわっています。そんな2人を見て、水は大の苦手な息子が「川に入りたい。」とポツリ。

へっぴり腰で岩場を渡りはじめたものの、あっという間に足を滑らせてバッシャーン!と派手に転倒。全身ずぶぬれで目をぱちくり。

(そこは、ようちえんの子ども達はみんな知っている、よく滑るポイントらしい。)

この体験だけでも今日来たかいがあったかな。。。とひそかに思った母でしたが、この後さらに大きな展開が待っていました。

 

Yさんが「どうする?むこうに渡る?もうやめる?」ときくと

息子はまっすぐ対岸(といってもほんの70センチむこう)を見つめて考え、「わたる」とはっきり宣言。(母、おお!となる)

そばにいてくれた卒園児のKちゃんにYさんが

「Tくん、ここ渡りたいんだって。どうしよう?」と尋ねると、

Kちゃんすぐさまあたりを見まわし、大きな石を持ってきてかけ橋を作ってくれる。行動が早い!

そろそろ進む息子。どうしていいかわからず見ているだけの私。ちょっと手助けが必要、と感じた時点でYさんが、ウォーターシューズでなかったにもかまわずジャブジャブ川を渡り、息子に手を貸してくれ、、、

息子、無事に川渡り達成!

 

森に入ってほんの30分ほどの間に、まさに森のようちえんのエッセンスを見た思いでした。

それは、たまたま今日が幸運だったのではなくて、きっと森のようちえんでは、毎日こんな奇跡(大げさながら)の瞬間のオンパレードなのだろう。

私だったら、きっと「無理や、やめとき」と言ったろう。お友達がいなければ、Tもやりたいと言わなかったかもしれない。いやはや。

 

森はギフトに満ちている。来てよかったなあ、とあらためて思った1日でした。

<その後>

「今日も川で遊ぶ!」と

川に入れる日は毎日長靴で川渡りにチャレンジしている息子。

あいかわらずへっぴり腰で、みんなよりだいぶゆっくりですが、ようちえんのwebアルバムには、川の中を慎重に進む写真や動画が日々スタッフによりアップされています。

写真の背景にある景色も、はじめは川の入り口あたりだけだったのが、だんだん川の奥の方に変わってきました。

 

添えられているスタッフのコメントからも、そんな息子の、かたつむりのような日々のチャレンジと成長を、寄り添って見つめてくれているのがよく分かります。

ここ滑るよな
ここ滑るよな
ゆっくり そろり 慎重に 慎重に
ゆっくり そろり 慎重に 慎重に

ある晩、夫にも一連のwebアルバムとスタッフコメントを見せたところ、ふと振り返ると夫、涙目に。。。

転園させてよかった、と夫も思ってくれた瞬間なのではないでしょうか。

(ちなみに息子が水がダメなのは父親ゆずり、というのはここだけの話です)

年中児保護者みほっち


森のようちえんウィズ・ナチュラ季刊誌サステナme協賛企業様